看護配置基準とは
看護配置基準とは 「この病院には患者さんがこれだけいるから、これくらいの看護師さんを配置してくださいね」という厚生労働省が定めた基準です。(なお、算定する入院料によって基準が異なります。)
この看護配置基準を満たしていない場合、単価の低い入院料を算定することになるので、どの病院も基準を満たすために必死なんです。
ちなみに施設基準とは、それぞれの入院料を算定するためにクリアしなければいけない「条件」のことです。看護配置基準は、この施設基準の条件の一つとして取り扱われます。
今回は数ある入院料の中でも近年急増している地域包括ケア病棟入院料を例に看護配置基準を解説していきます。
地域包括ケア病棟入院料の施設基準
全部で4種類あります。報酬については入院料1が最も高く、入院料4が低い仕組みとなっています。報酬が高い入院料ほど条件が厳しくなっています。しかし、看護配置基準については共通で13対1と定められています。引用:厚生労働省令和2年度診療報酬改定説明資料等についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00001.htm
管理料は、病床別で算定する際の報酬単位です。
例えば、、、
病棟全体を地域包括ケアで算定したい→入院料
病棟全部じゃなくて4床だけ地域包括ケアで算定したい→管理料
13対1ってなに?
地域包括ケア病棟入院料では、看護配置基準が「13対1」と決められています。つまり、1人の看護師さんが受け持つ患者さんは13人までになるような体制にしてくださいね!ってことです。
ここで注意しなければならないのは所属している看護師さんが4人いればいいってことではないことです。なぜなら患者さんは24時間病院にいますが、看護師さんは24時間のうち8時間しか基本いないからです。もし4人しか所属していなければ残りの16時間だれが看護をするの?って話になっちゃいます。
13対1(看護配置基準)の計算
そこで活用するのは次の計算式です。
- 基準値を求める:(1日平均入院患者数/配置基準の数)×3交代
- 実績値を求める:月延べ勤務時間数/(月の日数×8時間)
基準値 ≦ 実績値 となっていればOK!
ーーーーー【 計算例 】ーーーーー
基準値:(1日平均入院患者数49人/配置基準の数13)×3交代
実績値:月延べ勤務時間数2,900時間/(日数30×8時間)
つまり、、、
基準値:12(小数点以下切り上げ) ≦ 実績値:12.08
という計算結果が生まれるわけです。
上記の結果であれば基準値より実績値が上回っているため、配置基準は満たしてますよ!ってことになります。
※月延べ勤務時間数=同入院料を届出ている全ての病棟の合計勤務時間数
※1日平均入院患者数=直近1年間の延入院日数/365
※配置基準の数=地域包括ケア病棟入院料は13対1なので13
ちなみにこの計算式の中にある勤務時間の扱いについては細かいルールがあります。どんなのかっていうと次のようなものです。
勤務時間に関する細かなルール
- 残業時間は含めてはいけない
- 会議時間は含めてはいけない(感染・医療安全委員会を除く)
- 申し送り時間を含めてはいけない(申し受ける側はOK)
- 休憩時間は含めてOK
これらを加味して看護配置基準を管理していきましょう!
具体的な届出の流れ
看護配置基準の仕組みについて理解できたのなら、さいごは届出です。
まず、届出をするタイミングについて確認しましょう!
- パターン1:新規で開設や増床をしたとき
- パターン2:入院料を変更するとき
- パターン3:毎年7月の定例報告のとき
- パターン4:診療報酬改定時のとき(改定内容による)
上記のようにいろいろなタイミングで届出る必要があります。ちなみに届出先は、あなたの医療機関が所在する地域の地方厚生局ですのでこちらも併せて覚えておきましょう。
次にどのような順序で届出をするのかを以下にまとめました。
- 必要な様式を各地方厚生局のHPからダウンロード
- 様式を作成(看護配置基準に関するものは様式9号です)
- (パターン1・2):受理を受けたい月の最初の平日までに地方厚生局へ提出
- (パターン3・4):指示された期日までに地方厚生局へ提出
- 数日後、受理書が届く
※提出方法は、郵送か窓口どちらかです。
※関東の場合は 、 (https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/iryo_shido/r02kaitei_00002.html)関東甲信越厚生局HP
以上が、一連の流れです。パッと見てこんなもんか!って思うかもしれませんが、様式作成はめちゃくちゃ大変ですので覚悟しておいてくださいね。笑
まとめ
- 看護配置基準とは 「この病院には患者さんがこれだけいるから、これくらいの看護師さんを配置してくださいね」という厚生労働省が定めた基準のこと
- 13対1とは、1人の看護師さんが受け持つ患者さんは13人までとする体制のこと
- 13対1の体制を把握するための計算式がある
- 届出をするタイミングは、届出理由によって日程が決まっている
- 届出の流れは、「様式種類の確認・DL→様式の作成→地方厚生局へ提出」である
以上、今回はこのへんで終わります!